2006-10-09
先週一週間の「きびきびネット」で放送された「高校生ダンスWeek」の映像をようやく全部見ました。
五つの高校それぞれの持ち味が出ていて、視聴者のみなさんにもダンス部で活動している高校生の生き生きとした様子が少しでも伝わったのではないかと思いました。
テレビというのはそういう意味では本当にありがたいと思います。
がしかし、全部見て思ったのがこのタイトル。
前々から思っていたのですが、今回改めてそう思いました。最初に鴨方以外の映像を見て、例えば時間差のある動きで、止まっている人の方をアップしたり、なぜか足元のみを写したり。上半身をアップしたり。で、怖くて鴨方高校のはなかなか見れませんでした。
さて、どうしてこういうことが起こるのかが、実際に番組を創っている現場に行って少しだけ分かりました。カメラマン一人一人も、スイッチャーさんも、ディレクターさんも、ある演出意図を持って「そうしている」ということです。
テレビ番組を創るのも表現や創作行為ですから、当然と言えば当然ですが、現場に行って打合せをしているスタッフの方々を見て、初めて、確かにそうなんだと実感できました。
ところがです、ダンスも元々、非常に長い時間をかけて、ある創作意図をもって、全ての瞬間を創り上げていく芸術です。振り付けで体のどこを動かすのか、止めるのかといったこともそうだし、その動きを効果的に見せる位置構成もそうだし、そういった空間的な演出を考えます。それらトータルで一つの作品なわけです。
その作品をテレビで流す時には、テレビ局の人から見ればそれは一つの素材にすぎなくて、その素材を元にダンサーの演出意図とは別の発想で、テレビ番組の製作者がフレームで切り取ったり、画面の切り替えで盛り上げようとするなどの、テレビ的な演出を加えようとするものだから、おかしなことになるのです。
できるだけ、元々の作品の意図を壊さないでテレビで流すには、例えば足元を写すなら、斜め上からではなく、横から撮ることで、背景の別のダンサーの全身が写るようにするとか、ワイコン(広角レンズ)をつけることで、独りだけ大きく写す時にも周囲のダンサーが写るようにするとかしてくれればいいのですが。
もちろんあらかじめ、作品を何度か見ていただくことも重要です。
さて、四校見たあと、こわごわと鴨方高校の回を見ました。
なんだカメラワーク結構いいじゃん。
なんでだろう。
スタッフが回を重ねるごとに色々工夫しようとして、それが裏目に出たのか、打ち合わせの時間を長くとったからか…。
あとは、作品の違いもあるかもしれません。鴨方はうらじゃだったので、時間差のある動きも2カウント程度の時間差なので止まっているダンサーが少ないし、基本的には全員が同じ動きで、長方形の隊形なので、どのアングルからでもまずまずいい絵が撮れるのではないかと思いました。
今後テレビ番組に関わることがあれば、そのあたりをご相談できればなと思いました。
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